POEM★籠の中の鳥
部屋の窓ぎわに銀色の鳥籠
美しい声で鳴く虹色の小鳥
尾が長くて風に揺れている
そっと近づきながら
私は小鳥の気持ちになっていた
「こんな狭い籠の中にいて悲しくて鳴いてるの?」
病弱でめったにこの洋館から
外に出ることもない私のために
父がプレゼントしてくれた小鳥
この部屋で一緒に過して一週間も経った
小さな扉を開けて
柔らかく手の中に包んで
籠から初めて出してみる
「ありがとう…
自由に空を飛んでほしい…
私の変わりにいろんな世界を見てきてほしい」
そう呟いて手の平をゆっくり開けた
小鳥は少しためらいがちに
ジッとしていたけど
お礼を言うように小さく鳴いて
空の向こうへ羽ばたいていった
少女の頃の想い出の一欠片
籠の中の鳥…それは私一人で十分なのだ