POEM★籠の中の鳥

ALICE

2007年07月28日 19:38

部屋の窓ぎわに銀色の鳥籠

美しい声で鳴く虹色の小鳥

尾が長くて風に揺れている



そっと近づきながら

私は小鳥の気持ちになっていた

「こんな狭い籠の中にいて悲しくて鳴いてるの?」



病弱でめったにこの洋館から

外に出ることもない私のために

父がプレゼントしてくれた小鳥



この部屋で一緒に過して一週間も経った



小さな扉を開けて

柔らかく手の中に包んで

籠から初めて出してみる



「ありがとう…

自由に空を飛んでほしい…

私の変わりにいろんな世界を見てきてほしい」


そう呟いて手の平をゆっくり開けた

小鳥は少しためらいがちに

ジッとしていたけど

お礼を言うように小さく鳴いて

空の向こうへ羽ばたいていった



少女の頃の想い出の一欠片



籠の中の鳥…それは私一人で十分なのだ